学会について

目的

日本高齢者虐待防止学会は、高齢者虐待防止に関する学際的及び実践的活動の研究・教育の発展を図り、人々の健康と福祉に貢献することを目的として設立されました。

理事長挨拶

人は皆、加齢とともに心身の脆弱性(vulnerable)を伴うようになり、科学技術の進展により高齢者が長年培った技術や経験が評価されず、社会的、法的地位が軽んじられる結果として、高齢者の終の棲家としての自宅や施設での虐待があとを絶ちません。

しかし、人としての尊厳は如何なる場面でも、如何なる時点でも保証されなければならず、常に自分らしく生き続けることができるように、社会の側が取り組みを進めていく必要があります。

当学会は、2003年、高齢者虐待防止法の制定に向けて、高齢者介護の現場奮闘する保健師、医師、介護職ほか専門職、研究者、法律家、そして行政担当者らが、それぞれの領域から叡智を結集して、高齢者に対する虐待を防止するために立ち上げられた学際的な学会です。

皆さまのご支援・ご協力を宜しくお願いいたします。

理事長 池田 直樹

活動

1.学会誌「高齢者虐待防止研究」の発刊

年1回発行。研究報告・実践活動など、現場の第一線で活躍されている方の投稿を掲載しています。

学会誌「高齢者虐待防止研究」の一覧はこちらを御覧ください。

研究テーマ

  • 高齢者の人権擁護
  • 高齢者虐待防止法
  • 虐待防止ネットワーク
  • セルフ・ネグレクト
  • 認知症と地域づくり・まちづくり
  • 高齢者虐待の発見
  • 医療依存度の高い高齢者への虐待防止など

2.学術大会

毎年メインテーマを設定し、全国各地で年1回学術大会を開催しています。

学術大会の開催一覧はこちらを御覧ください。

組織

理事・代議員

法律、看護、医療、社会福祉、民法・成年後見、社会保障、地域精神保健等、多岐に渡る分野の専門家により構成されています。

  • 理事 13名(理事長1名、副理事長2名、事務局長1名)
  • 監事 2名
  • 顧問、特別・功労会員 8名
  • 代議員 20名

理事・代議員一覧

理事長

  • 2003年~ 田中荘司(日本大学)
  • 2006年~ 髙﨑絹子(東京医科歯科大学大学院)
  • 2009年~ 髙﨑絹子(放送大学)
  • 2012年~ 多々良紀夫(淑徳大学大学院)
  • 2012年5月~ 池田直樹(上本町総合法律事務所)

委員会

理事・代議員を中心に、委員会活動を行っています。

  • 法制度推進委員会
  • 研究活動・国際活動推進委員会
  • 編集委員会
  • 組織拡大委員会
  • 広報委員会
  • 会計委員会
  • セルフネグレクト特定委員会
  • 定義問題特定委員会

会員データ

会員の構成は、大学教員・研究職が39%と最も多く、次に高齢者ケア・ソーシャルワーク分野実践者が21%、弁護士・司法書士が16%、医療・看護・保険分野の実践者が15%となっています。

学会設立と高齢者虐待防止法の成立過程

  • 1994年頃 高齢者虐待に関する実態調査(田中、髙﨑、津村ら)
  • 1999年 身体拘束禁止を規定(厚労省)
  • 2000年 介護保険法の施行、身体拘束の原則禁止
  • 2002年 髙﨑、田中、多々良、金子らにより学会設立準備はじまる
    南野智恵子参議院議員の呼びかけにより自民党成年虐待防止に関する勉強会が発足
  • 2003年8月9日 学会設立・記念国際シンポジウム開催(日本大学)
    厚生労働省全国調査実施
  • 2004年 公明党、民主党高齢者虐待防止プロジェクトの発足
    第1回日本高齢者虐待防止学会東京大会(大会長 田中荘司)
  • 2005年 高齢者虐待問題議員連携発足
    日本高齢者虐待防止学会より、厚生労働大臣他宛法律制定に対する「要望書」を提出
    衆参両議院全会一致で法案可決
  • 2006年 高齢者虐待防止法の施行
    学会誌「高齢者虐待防止研究」創刊
  • 2013年 「創立10周年記念誌」発刊
  • 2018年7月 日本学術会議協力学術団体指定
  • 2021年3月1日 一般社団法人日本高齢者虐待防止学会設立